「ウェルビーイング」という言葉を耳にすることが増えてきました。いまやビジネスにおいて重要なキーワードとなっているウェルビーイングですが、その意味やなぜ注目されているのか、ご存知ですか?
従業員の幸福や満足度は、企業の成功に大きな影響を与える要素です。ウェルビーイングを重視することは、従業員のモチベーションや生産性を向上させる上で不可欠です。
本記事では、ウェルビーイングの意味、その重要性と注目されている理由、ウェルビーイングを測定する代表的な指標についてご紹介します。ウェルビーイングに関する知識・重要性について理解を深めましょう。
1. ウェルビーイングの意味
ウェルビーイング(Well-being)とは、Well(よい)とBeing(状態)が組み合わさった言葉で、個人や組織が身体的、心理的、社会的に健康で幸福な状態にあることを指すひとつの概念です。身体的な健康だけでなく、心の健康や社会的なつながりも重要な要素となります。
ウェルビーイング(Well-being)という言葉は、1946年に採択された世界保健機関(WHO)憲章前文で、初めて使用されました。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。
出典:日本WHO協会
この言葉自体は比較的新しいものであり、定義も複数存在していますが、共通して言えるのは、人々の総合的な幸福感や生活の質を表現する概念であるということです。
2. ウェルビーイングの重要性
– ウェルビーイングの重要性とは?
ウェルビーイングは、現代の忙しい生活の中で特に重要です。ストレス、仕事の負荷、社会的圧力など、さまざまな要因が私たちの心身に影響を与えることがあります。ウェルビーイングを追求することは、ストレスの軽減、心の安定、身体の健康維持に役立ちます。
もちろん個人にとってだけでなく、組織や社会にとっても大きなメリットがあります。ウェルビーイングを重視することは、従業員のモチベーションや生産性を向上させるために不可欠な要素なのです。また、ウェルビーイングの高い企業は、従業員の定着率が高く、優秀な人材の確保にもつながります。さらに、ウェルビーイングの推進は企業の社会的責任を果たす一環でもあります。
– ウェルビーイングの重要性が注目されている理由
ではなぜウェルビーイングの重要性が注目されるのでしょうか?それは、現代社会において、働く人々がストレスやプレッシャーにさらされる機会が増えているからです。長時間労働や仕事とプライベートのバランスの悩みなど、心身の健康に影響を及ぼす要素が増加しています。
また、新型コロナウイルス感染拡大の影響も受けています。この危機的状況では、身体的な健康だけでなく、心の健康を保つことも重要となりました。多くの人々がストレスや不安にさらされ、ウェルビーイングに対する関心が高まっているのです。
さらに近年よく聞かれるようになったSDGs(持続可能な開発目標)にもこの言葉が引用されています。SDGsとは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際的な目標で、17のゴールと169のターゲットが定められていますが、このゴールのひとつに「すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-Being)」があり、ウェルビーイングが注目されていることがわかります。
– ウェルビーイングが企業の成功に与える影響
ウェルビーイングの推進が上手くいっている組織は、従業員のモチベーションが高まり、業績や生産性が向上し、結果として企業の成功につながっています。また、従業員が幸福感を持ち、自己実現を追求する環境が整っていれば、新しいアイデアやアプローチが生まれやすくなり、より創造的でイノベーションを起こしやすくなります。
3. ウェルビーイングを測定するための主要な指標
では、ウェルビーイングという概念をどのように測ればいいのでしょうか。ウェルビーイングを測定する手法として、世界中の研究者/機関によって、さまざまな指標が用いられています。その中でも代表的な指標をいくつかをご紹介しましょう。
■ギャラップ社によるウェルビーイングの5つの構成要素
アメリカの調査会社であるギャラップ(Gallup)社は、世界150カ国における調査の結果、ウェルビーイングを5つの要素に分類しています。
①Career Wellbeing(キャリア ウェルビーイング)
キャリアの幸福度。1日の時間の大半を占めていること(仕事に限らず、家事、育児、趣味やボランティア活動など)に納得感を持って、楽しんでいるか。
②Social Wellbeing(ソーシャル ウェルビーイング)
人間関係の幸福度。信頼と愛情でつながる強い人間関係を持っているか。
③Financial Wellbeing(フィナンシャル ウェルビーイング)
経済的な幸福度。経済的に安定しているか、効果的に資産を管理・運用できているか。
④Physical Wellbeing(フィジカル ウェルビーイング)
身体的な幸福度。健康で日常的な活動をするのに十分なエネルギーがあるか。
⑤Community Wellbeing(コミュニティ ウェルビーイング)
地域社会やコミュニティでの幸福度。地域や職場、学校など所属するコミュニティにおいて、周りの人たちとつながっている感覚があるか。
出典:Gallop社ウェブサイㇳ
https://www.gallup.com/workplace/237020/five-essential-elements.aspx
■ウェルビーイングの構成要素「PERMA理論」
ポジティブ心理学を提唱したマーティン・セリグマン教授による「PERMA理論」は、幸福感の5つの要素を提唱しています。
・Positive Emotion(ポジティブな感情):希望、喜び、思いやり、感謝など
・Engagement(エンゲージメント):今この瞬間に生き、目の前の事に集中する
・Relationship(人間関係):他者からサポート・評価、周りとの相互作用
・Meaning and Purpose(意味):人生の意義や目的
・Achievement/ Accomplish(達成感):目標に向かって努力し、何かを達成する
人はこの5つの要素を満たしていると幸せである、とするもので、頭文字をとって「PERMA理論」と呼ばれています。これらの要素を意識的に育むことで、より豊かな人生や高いウェルビーイングを実現することが可能となるという考え方です。
4. まとめ
ウェルビーイングは、人々の心身の健康と幸福感を指す言葉であり、企業の成功においても重要な要素です。従業員の幸福度と生産性は密接に関連しており、ウェルビーイングの向上は企業の成功に不可欠です。ウェルビーイングを測定するためには、さまざまな指標が利用されており、それぞれの指標が異なる側面を捉えています。
ウェルビーイングの重要性と測定方法を理解し、自身や組織のウェルビーイング向上に活かしましょう。
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ウェルビーイングで従業員の幸福度向上を目指す、企業の経営者、人事部門のご担当者様、ぜひご状況をお聞かせください。