• 投稿カテゴリー:健康経営

近年、健康経営がますます注目を浴び、企業経営において重要な要素となっています。その中でも、健康経営優良法人認定制度は、健康経営に取り組んでいる姿勢を社内外に示すことができる制度として取り組む企業が年々増えています。しかし、この制度がどのように機能し、申請の際に何を考慮すべきなのか、分かりづらいことも多いでしょう。

本記事では「健康経営優良法人認定制度」の概要をわかりやすく解説します。申請区分や、認定のメリット・デメリット、2023年最新の認定状況をご紹介します。

健康経営優良法人認定によって、企業は従業員の健康を促進し、組織の競争力向上を高めることができます。この記事を通じて、その仕組みや利点を理解し、健康経営における新たな一歩を踏み出す手助けとなれば幸いです。

■目次

1. 健康経営優良法人認定制度とは?

まずは、理解の前提となる「健康経営」について解説します。

健康経営とは

「健康経営」とは、会社が従業員の心身の健康を積極的にサポートし、業績向上につなげる経営手法です。会社が従業員の健康状態を把握し、積極的に予防対策などの健康投資を行うことで、従業員が心身ともに健康的に働けるようになり、生産性が向上し組織が活性化します。結果的に業績向上や株価上昇につながることが期待できると、今では多くの企業が取り組んでいます。

「健康経営」について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

関連記事:
 ・健康経営とは?意味や背景、コロナ後の状況を解説

 

健康経営優良法人認定制度とは?

健康経営優良法人認定制度は、企業の経営において従業員の健康を重要な要素と位置づけ、戦略的に取り組んでいる企業を評価し、認定する制度です。企業の規模に応じて「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つに分かれ、日本健康会議(※)が「健康経営優良法人」の認定を行います。

経済産業省が2016年に創設し、日本健康会と共同で運営しているこの制度は、企業における従業員の健康管理を経営戦略の一部として捉え、健康経営を実施している企業を明示的に評価し、認定することで、従業員、求職者、ビジネスパートナー、金融機関などから高い評価を受ける環境を整えることを目指しています。

なお、2024年分から公募で選ばれた日本経済新聞社が同制度の運営事務局となり、積極的な広報活動等を通じて健康経営の更なる普及に取り組むとしています。

※経済団体、医療団体、保険者などの民間組織や自治体が連携し、職場、地域で具体的な対応策を実現していくことを目的に組織された活動体。

参考:
 ・経済産業省:「健康経営銘柄2024」・「健康経営優良法人2024」の申請受付開始!

2. 健康経営優良法人の申請区分(大規模法人部門・中小規模法人部門)

健康経営優良法人認定制度は「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つの部門に分けられていますが、どちらに申請すべきかは、従業員数や資本金の額などによって区分されています。

「会社法上の会社等」または「士業法人」の場合

従業員数と資本金または出資金額によって区分されます。

健康経営優良法人の申請区分

従業員数は大規模法人部門に該当していても、資本金または出資金額が中小規模法人部門に該当する場合は、大規模法人部門・中小規模法人部門のどちらに申請するかは、各法人で決められることになっています。但し、両部門に申請することはできません。

「会社法上の会社等」または「士業法人」以外の場合

従業員数による区分のみとなります。

健康経営優良法人の申請区分

ホワイト500とブライト500とは?

「ホワイト500」と「ブライト500」は、健康経営優良法人認定制度において、最も高い水準の健康経営を実践する企業を表彰し、特別な称号を与える制度です。日本健康会議によって、大規模法人部門の上位500法人を「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人を「ブライト500」として認定します。

ホワイト500とブライト500とは?

これらの称号は、企業が健康経営を積極的に推進し、従業員の健康と福祉を向上させる取り組みを評価し、他の企業にも模範となるような指針を提供する役割を果たしています。また、ホワイト500とブライト500を獲得することは、企業の評判と競争力を向上させる重要な要素でもあります。

3. 健康経営優良法人認定のメリット・デメリット

メリット

・知名度UP、イメージUP

健康経営優良法人認定を受けた企業は、企業の知名度とイメージを向上させます。認定は企業の信頼性を高め、従業員、顧客、株主など関係者に対してポジティブな印象を与えます。

・人材確保で有利になる・離職率の低下

認定を受けた企業は、優れた健康経営に取り組んでいることを示せるため、優秀な人材の確保に有利です。また、社員の健康が促進されることで、離職率が低下し、労働力の安定性を高める可能性が高まります。

・生産性向上による業績の向上

健康経営は従業員の健康を促進し、生産性を向上させる助けになります。従業員が健康でストレスを軽減し、健康な状態で働くことができると、業績が向上し、企業の競争力が高まります。

・公共事業入札時の加点、金利優遇、保険料割引など(一部地域)

健康経営優良法人認定を受けた企業は、一部の地域において公共事業入札時の加点、金利の優遇条件、保険料の割引などの優遇措置を受けることができます。

デメリット

・申請手続きに手間・時間・費用がかかる

健康経営優良法人認定を受けるには、申請手続きに手間、時間、費用がかかります。必要な文書の準備や審査プロセスに関わる作業が追加の負担となり、組織内でのリソースが必要となります。

・従業員の協力を得るのに時間がかかる

健康経営の成功には従業員の協力が必要ですが、従業員の意識改革や新しい健康プログラムの導入に時間がかかる場合があります。従業員の参加を得るためには継続的なコミュニケーションが必要になってきます。

・認定を維持するには毎年申請する必要がある

健康経営優良法人認定を維持するには、毎年の申請が必要です。さらに、「ホワイト500」「ブライト500」は数が500社に限定されるため、相対的な競争が発生し、維持には困難さが増し、毎年のレベルアップが求められます。

4.健康経営優良法人2023の認定状況

健康経営優良法人2023(2022年度)において、認定を受けた企業数がどの程度増えたのかについてご紹介します。全国各地の企業が健康経営の取り組みを積極的に行っていることから、認定を受けた企業数は年々増加しています。

2021年度から2022年度にかけて、大規模法人部門では認定企業数が116%増加し、2,299社から2,676社となりました。同様に、中小法人部門でも認定企業数は114%増加し、12,255社から14,012社となっています。

「健康経営優良法人」認定法人数の推移

健康経営優良法人2024の認定状況については、こちらをご覧ください。
【2024最新】健康経営優良法人2024 認定企業発表!最新傾向を解説

5. まとめ

「健康経営優良法人認定制度」について、概要から申請区分、メリット・デメリット、そして最新の認定状況について解説しました。この制度は、企業が従業員の健康を積極的にサポートし、組織の競争力を高めるための取り組みを評価し、認定するものです。

「健康経営」は、企業の業績向上や社会的な評判向上に貢献し、従業員の健康と幸福感を向上させる手法です。また、認定を受けることで企業の知名度や信頼性が高まり、優秀な人材の確保や業績向上に寄与します。一方で、認定を維持するためには手間や時間、費用がかかり、従業員の協力を得るためにコミュニケーションが必要で、毎年の申請も求められます。

2023年度の認定状況を見ると、多くの企業が積極的に健康経営に取り組んでおり、認定企業数が増加しています。これは、健康経営の重要性が急速に高まっていることを示しています。健康経営は一時のトレンドではなく、持続可能な成功の基盤となっていくのではないでしょうか。

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